医療介護職についている場合、多かれ少なかれ「人生の最後」に遭遇します。
多死社会と言われいる中、最期をどのように迎えるのか?ご家族や職員と話し合う場面が多くなります。
今まで多くの看取りに立ち会ってきましたが、自分の知識不足や経験不足のせいで家族に不安な思いをせてしまっていないか?そんな風に考えたことありませんか?
私のその一人です。少しでも仕事に活かしたいと言う思いでこの資格にチャレンジすることにしました!
試験までの道のりを記録していきます。2022年の試験は10月です。
ここでは、「終末期ケア専門士」という資格についてご紹介します。
終末期ケア専門士はこんな方にオススメ
・今の仕事に活かしたい方
・看取りをしっかり勉強したい方
・資格にチャレンジしたい方
・もう少しステップアップしたいと考えている方
・資格は取りたいけどお金はあまりかけられない方
・看取りの専門的な知識を身につけたい方
終末期ケア専門士とは
終末期ケア専門士とは、死を間近にした方のケアをするための認定資格です。
2020年に日本終末期ケア協会(JTCA)によって新設されました。
臨床ケアにおけるスペシャリストを目指します。
エビデンスに基づいたケアの実践をおこない、患者・利用者様の一番近くで「支える人」を育成します。
終末期ケアについて基礎から学ぶことができ、エビデンスがまだ十分に確立されていない分野の現状も知ることができます。
必要なケアには個人差があり、必ずしもエビデンスが有効な手段であるとは限りません。
しかし、エビデンスを知ったうえでケアの引き出しを増やすことは個別性のあるケアの実践につながります。
終末期ケアとは、病気や老衰などによって死が近いと判断された方に対し、身体的・精神的苦痛を緩和し自分らしく生活する支援をすることです。
現状では医療中心に行われていますが、個人によって必要なケアが異なり、答えを明確に出せない問題も多いのが実情です。
終末期ケア専門士は、そのような終末期ケアの課題を解決するため、患者・利用者様の一番近くで支える人を育成することを目的としています。エビデンスに基づくケアの実践に加え、倫理観を育成するためのプログラムも組み込まれています。
2040年には多死社会が到来
厚生労働省の調査によると、2040年の年間死者数は約166万人。
大多数の高齢者が平均寿命を迎える「多死社会」が到来すると考えられています。やがて訪れる多死社会に向け、終末期医療とともに必要となるのが終末期ケアです。
介護と看護、医療を一体型とした老人ホームなどにおいて、認知症ケア専門士とともに終末期ケア専門士のニーズは高まりを見せています。
終末期ケア専門士の資格取得メリット
終末期ケア専門士の資格を取ると、次のようなメリットがあります。
終末期ケアに関する専門知識を身に付けられる
終末期ケア専門士の資格を取得すると、日常生活を支えるケアや延命治療に関する意思決定支援、家族のケアなどの専門的な知識を身に付けられます。
看取りの多い緩和ケア病棟や介護施設などでは業務に直結する知識も多く、答えの出せない問題が多い中で個々のニーズに対応できる存在になれるでしょう。
また、直接看取りに関わらない人でも残された時間を豊かにするための医療・介護の提供に貢献できます。要するに、資格を取得することで終末期における介護の在り方を多面的に見つめ直すことができるということです。
キャリアアップにつながる
終末期ケア専門士の資格は、履歴書や名刺などにも記載できるため、転職時にも役立ちます。
特に看取りの多い緩和ケア病棟や介護施設などでは、専門知識を持つスタッフとして重宝されるでしょう。
他の職員に指導を行うリーダー的存在になることも可能です。
また、直接看取りをしない現場でも、終末期に関する倫理観やケア方法が役立つ可能性があります。
そのため、今後医療や介護の分野で専門性を高めたい人にとっては資格が大きな武器になるでしょう。
終末期ケア専門士の資格取得方法
終末期ケア専門士の資格は、日本終末期ケア協会(JTCA)が行う試験に合格することで取得できます。
試験について
終末期ケア専門士の試験は、資格や実務経験などの受験条件があります。受験資格をクリアした上で、年一回行われるパソコンテストに合格し登録することで、晴れて終末期ケア専門士となれます。
【試験概要】
受験資格 | 医師や看護師、理学療法士、介護福祉士などの有資格者で一定の実務経験がある人 |
試験日 | 年1回10月頃 |
試験会場 | 日本全国260ヶ所のテストセンター |
試験時間 | 90分 |
受験料 | 10,000円(合格後認定登録料としてさらに10,000円) |
出題数 | 90問(択一または択多問題) |
更新 | 3年ごとの更新が必要(更新料:5,000円) |
詳しくはこちらを確認してください。
試験概要については年度によって変更になることがあるため注意してください。
資格取得までの流れ
終末期ケア専門士の試験を受けるには、まず日本終末期ケア協会(JTCA)の公式サイトから受験申込をし、受験料を支払います。その後、自宅に申込書類一式が届くので必要書類を揃えて郵送してください。
提出した書類をもとに受験資格の審査が行われ、通過するとメールと郵送にて受験資格通過のお知らせとログイン用紙が届きます。このとき、受験資格を満たしていなければ受験料は返還されます。届いたログイン用紙にてマイページにログイン後、希望の日時と会場を予約して申込完了となります。
試験当日は、予約した会場に行きパソコンで受験します。合否は受験から約2ヶ月後に届き、合格後に登録手続きをすると翌月には認定証が発行されます。
学習方法について
終末期ケア専門士の試験は、公式テキストの内容をもとに出題されます。内容は日常生活のケアや意志決定支援、スピリチュアルケアなど11項目。基本的には公式テキスト(税込4,500円)を見ながら独学で学習します。
私も早速購入したいと思います。
また、日本終末期ケア協会(JTCA)が開催しているWEB講習会で試験対策をすることも可能です。講習を受ける場合は19,800円(税込)が必要です。
絶対合格を目指すなら、こちらも購入した方が良さそうです!
2020年度の合格率は65.6%
2021年度の合格率は69.5%
新しい資格なので難易度は不明です。
真剣に向き合い、合格するためにテキストを見てしっかり学習することが最短合格につながると思います。
多くの人がまだ持っていない資格なので、専門性を高めるためにも1年でも早く取得しておきたいですね。
資格取得後について
終末期ケア専門士の資格を取ると、上位資格である「終末期ケア上級専門士」や「JTCAアドバンスインストラクター」にステップアップすることも可能です。これらの資格についても簡単に紹介しておきます。
終末期ケア上級専門士
終末期ケア専門士の資格取得後1年以上経過した人は、終末期ケア上級専門士の試験を受けられます。こちらは2022年8月開始を予定しています。
終末期ケア上級専門士の資格を取得すると、終末期ケアの学識や知識の習得だけでなく、チームマネジメントにも力を発揮できます。具体的には自施設で勉強会を実施するときに協会の講義システムを利用できるようになります。また、協会のサポーターとしてゼミの執筆やイベントサポートなどに携われます。
JTCAアドバンスインストラクター
終末期ケア上級専門士の資格取得後さらに1年以上経過すると、JTCAアドバンスインストラクターの資格に挑戦できます。JTCAアドバンスインストラクターになると、医療や介護の枠を超え社会的な役割を持って地域貢献活動ができます。自分とは違う職種のインストラクターと協働し研修を行ったり協会のコアメンバーとして活動したりすることで、活躍の場はぐっと広がるでしょう。
なお、試験概要などは現時点では公開されていません。
まとめ
終末期ケア専門士は、2020年度から始まった資格。
受験申し込みは4月から9月まで
受験料は1万円
テキストと受験対策本で1万円ほど必要
受験は10月
受験場所は、250箇所のテストセンター
受験方法は、パソコン
合格発表は、郵送
登録料が3年ごとに必要
さらにステップアップしたい場合は、「終末期ケア上級専門士」「JTCAアドバンスインストラクター」と挑戦できる
合格後も他職種と交流できる場がある。(月額500円)
今後終末期ケアに関わりたい人や医療・介護分野の知識を広げたい人は、ぜひ終末期ケア専門士の資格にチャレンジしてみましょう。
私も頑張ります!